腱鞘炎でお悩みの方

文字を書くとき、指がしびれる・・・

楽器の演奏中に手の動きが鈍くなってきた・・・

パソコンの操作中指が動かなくなった・・・

その痛み、ただの疲労でしょうか？

手首や肘の痛み、その症状は腱鞘炎のサインかもしれません。

●腱鞘炎、どうしておこるの？

私たちの手は、主に27個もの骨からできています。

この手を動かすことができるのが、筋肉と骨を結ぶ「腱」です。 腱は骨から離れないように靱帯性腱鞘（じんたいせいけんしょう）と呼ばれるものによって押さえられていて、腱が腱鞘の中を往復するように動くことで、指の曲げ伸ばしが可能になります。

手を握る等の強い力を発揮する筋肉は前腕にあり、その力を腱が伝えています。

この時になんらかの原因で腱と腱鞘が擦れ合うことにより、炎症を起こすことがあります。それが腱鞘炎という疾患です。

指や手首の腱鞘炎の場合、代表的な原因は「使いすぎ」です。

例えば、

・文字の書きすぎ

・パソコンのキーボード操作による反復的な動き

・楽器の演奏

・グリップなどを握るスポーツ

・スマホによる片手操作

このような、手や指を酷使する方は腱鞘炎を起こしやすくなります。

また、ホルモンの分泌に関連するとも言われており、更年期以降の女性や、妊娠・出産期の女性にも多く見られます。

女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、炎症を抑えたり、腱鞘内の腱の動きの滑らかさを保つ作用があります。

しかし、出産後、排卵時、月経前などの女性ホルモンが急に降下、授乳期や更年期で低値になったときに、腱や腱鞘が腫れて擦れ合い腱鞘炎が起こりやすくなります。

さらに、糖尿病のある人は炎症などが治りにくくなることから、腱鞘炎を起こしやすくなると考えられています。

その他に、人工透析を受けている人、関節リウマチの人も、腱鞘炎になりやすいと言われていますので、十分な注意が必要と言えます。

腱鞘炎にならないためにも、日常的に自分でできる予防をしていくことも大切になります。

ここでは、簡単にできる予防法をご紹介したいと思います。

・手指や手首を使った作業のあとに・・・

両手を高く上にあげ、ゆっくり揺らすと血行が良くなります。次に、手をだらりと下げ、手の力を抜くように軽く揺らします。

この方法は腱鞘炎の予防だけでなく、肩こりや肩痛、四十肩などの予防にもなるのでぜひ続けてやってみてください。

・指や手首にこわばりや違和感をおぼえたら・・・

早めの冷却、冷シップを貼るのも効果的です。冷やすことで腱の部分で起こってしまった炎症を抑えることができます。

すでに痛みが続いてしまっている場合には、温めることで血行が良くなり楽になる場合もあります。

気をつけていても腱鞘炎になってしまったときには・・・

・指の曲げ伸ばしをあまり行なわない

ひっかかるかどうかを試す動作もなるべく控えるほうがよいでしょう。

・テーピングで固定する

軽傷のうちなら、腱鞘炎になってしまった部分をテーピングで固定し、症状をやわらげることができます。※ 強く巻きすぎると血行が悪くなるので、注意してください。

またテーピングは症状の緩和に効果的ではありますが、指を全く動かさなくしてしまうと関節が硬くなる可能性もでてきます。

そのため、専門的知識を持った人にやってもらうようにしましょう。一日おうちに何度か指をストレッチすることも大切です。

 他にも痛みを軽減させる塗り薬や貼り薬もありますが、局所麻酔剤を混ぜたステロイド剤を注射する治療法もあります。

（糖尿病患者や薬剤アレルギーがある方には使用ができませんので注意が必要です）